Wisdom96 珪藻土から珪藻化石を取り出す
12/05/1999 upload

珪藻とは

褐色植物門珪藻網の藻類の総称。ケイソウは微細な単細胞の藻類でとてつもなく数が多く、水のあるところに分布しています。池や沼の褐色の水垢もケイソウです。細胞壁が硅酸化されて、そこに複雑な模様のこまかい孔(真孔 eupole)があいています。単細胞ですが しばしば群体をつくるようです。

ケイソウの細胞壁はSiOを多く含むため硬く、酸にも強く水成層中に多数あります。ケイソウは種類によって水温、pH、海水、汽水、淡水などの違う環境に棲み分けているので、示準化石としての価値が大変高いのです。

ケイソウの殻は弁当箱のように上下2つの殻からできていて、中に細胞質が入っています。上から見た蓋面、横から見たのは環面と呼びます。

ケイソウの分類は大きく分けて。中心目(Centrales)羽状目(Pennales)にわけられます。羽状目は。

中心目とは放射相称で上から見た形が円形、楕円形、四角形、三角形など表面の模様が放射状になっているものです。

羽状目とは左右相称で、上からの形が棒状、舟形、三日月形、S字形等で表面の模様が鳥の羽のように左右対称かそれに近いものをいいます。

ケイソウの最古の化石は、ジュラ紀にあらわれた丸い形の円心目で、新生代に入ってから羽状目が出現したことがわかっています。

日本最古のものは、新生代第三紀漸新世の地層から見つかっているのです。

珪藻土とは

単細胞ソウ類であるケイソウの遺骸から成る珪質の堆積物で粘土・火山灰・有機物などが混じっているのが普通です。

純粋なものは白色、一般には黄灰色で、乾いたものは軽く、しばらくは水に浮きます。

海成層、湖成層のいずれからも算出するのですが、おもなものは第三紀以後のものです。わが国では主として日本海地区油田地帯の第三紀海成層、中部地方以西に散在する湖成層に産し、日本列島が海面に姿を現し始めた約800万年前に隆盛した、単細胞植物性プランクトンの<珪藻>が化石化したたものでしょう。世界的にはアメリカ、フランス、ドイツなどが有名です。

珪藻土の用途

珪藻土は古くから七輪・コンロ・濾過助剤・吸着剤などに
使用されている耐火断熱性・吸着性に優れた特殊な土なのです。

ダイナマイトにも珪藻土

 珪藻土を使った物の一つに、ダイナマイトがあります。ダイナマイトは、加熱したり、振動や圧力を加えると爆発する性質がある非常に扱いにくいニトログリセリンという液体の薬品を珪藻土に含ませ、安定性を増し、取り扱いしやすくした爆薬なのです。

これを発明したのがノーベル(Alfred Bernhard Nobel, 1833-1896)です。ノーベルはスウェーデンのストックホルムに生まれ、1842年にペテルスブルグ(今のレニングラード)に移り住みました。家庭教師に教育を受けるとともに、父親の仕事(爆薬と魚雷の製造)を見習いながら成長し、アメリカで機械工学を学んだりしたあと、1866年にダイナマイトの特許をとったのです。その後、さらに爆発力の強い無煙火薬バリスタイトを発明して特許をとりました。世界各地に約15の爆薬工場を経営し、またロシアにおいてはバクー油田を開発して、巨万の富を築いたのです。

しかし、独身で子供がいないこと、彼が発明した無煙火薬が戦争で猛威をふるっていることへの後悔の念から、有名な遺言をのこしました。その遺言により、900万ドルにものぼる遺産のほぼ全額を基金として、ノーベル財団が設立され、物理、化学、医学・生理学、文学、世界平和の5部門に寄与した人たちを毎年表彰するノーベル賞が設立されたのです。なお、ノーベル経済学賞は1868年に設立され、69年から授賞が開始されています。ノーベル賞はノーベルの命日である12月10日に授与式がおこなわれます。

また、ノーベルは晩年、リウマチ性の心臓病に苦しみました。その治療に使われたのが、やはりニトログリセリンだったのです。ニトログリセリンには血管を拡張させる作用があるのです。恐らくノーベルほど、ニトログリセリンのお世話になった人はいないのではないでしょうか。

準備

□珪藻土(ケイソウを含んだ泥岩) □蒸留水(水道水可) □上皿天秤 □駒込ピペット □乳鉢 □ガラス棒 □焼き入れ台(ホットプレートでも可)□スライドガラス □カバーガラス □封入用の薬品 □ラベル

作成の手順

画像

試料2gをはかりとり乳鉢で軽く粉砕しましょう。簡単です。

前段階は手でも十分可能です。

これに蒸留水を1ml加える。まあ、厳密な物ではありませんね。

ガラス棒で良く撹拌し10秒待ち、上部の白濁液をスポイトで3・4滴とり、焼き入れ台に並べたスライドガラスに載せます。

このときの白濁層の濃度が高すぎると、試料中の泥やケイソウが重なり、また低いと、検鏡しても完全なケイソウが見つかりにくくなります。飲むときのカルピスの濃度ぐらいが適当ですね。

加熱乾燥すると、乾いてガラスに付着します

スライドガラスを焼き入れ台からおろし、しばらく空冷

封入用の液を1・2滴スライドガラスに落とします。

封入用の液が白濁液が乾いた上に広がるように、カバーガラスをかけましょう。

プレパラートをきれいに完成したければ、固まった後にキシレン等できれいにして下さい。

最後にラベルをはって完成です。産地などを書いておきましょう。

あとは検鏡です(^_^)v

封入剤は何が良いのか?

今回観察した珪藻のからにあたる部分は成分がSiO2で、ガラスのようなものです。ガラスでできた「スライドガラス」と「カバーガラス」の間に,ガラスのような「珪藻殻」をサンドイッチにしても、なかなかきれいに見えません。それを水やバルサムのような低屈折率のもので封入しても、殻の模様よく見ることができないというわけです。そこで、高屈折率の封入剤を用いることになります。

という訳でプルーラックス Pleuraxをつかう

珪藻の殻を封入する際に使われる封入剤。屈折率が高いのが特徴。材料は石炭酸と硫黄。この2つの薬品を沸騰石とともに丸底フラスコに入れ,ドラフト内で長時間加熱してできあがる黄色みを帯びた粘性の高い樹脂です。このままでは使いにくいのでエチルアルコールを加え粘性を緩めて使用します。

市販されているのは「マウントメディア」。和光純薬で販売しています。これにはすでにある程度のエチルアルコールが含まれています。

関連する情報

東京学芸大学生物学研究室・真山研究室「珪藻の世界」

珪藻細胞から有機物を取り除く「クリーニング」ほか、珪藻の観察法がわかりやすく解説されており必見。

珪藻土資料館

(株)鍵主工業に併設されている資料館のようです。
住 所 石川県珠洲市蛸島町1部2番地146の1
TEL0768-82-0780 FAX0768-82-0781

原生生物データベース

原生生物に関する 12007 枚の画像を種ごと( 352属,1152種)あるいは 研究テーマごとに分けて提供しています。




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