WISDOM96 研修会〜遺伝教材としてのショウジョウバエ


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【研修会の概要】

Wisdom 96の親組織「石狩教育研究会」の研修会があり、Wisdomのほとんどのメンバーが参加してきましたので、準活動報告として簡単にしたいと思います。
 内容は「ショウジョウバエでの遺伝の法則活用法」の実習ということでした。
 場所は北海道教育大学札幌校で、生物学教室教授 渡部英昭先生にお願いして、 中学校理科の内容になっている「遺伝の法則」をショウジョウバエで実際に検証す る方法を教えていだたきました。
 野生系と突然変異系のショウジョウバエを交配させて、F1からF2へと繁殖させて、優勢:劣性=3:1の比が実際にでることを確かめようというものです。
 ポイントは野生系、突然変異系の雄と雌をいかに素早く見分けて、飼育瓶に分離 きるかということでした。
 今日は双眼実体顕微鏡で麻酔をかけたショウジョウバエ のを観察し、前足や生殖器の違いから素早く判別する方法を学びました。


【ショウジョウバエ裏話】


学名

キイロショウジョウバエ Drosophila melanogaster
双翅目:ショウジョウバエ科
アフリカケニア高地あたりが原産らしい


分布など

アジアが中心で世界で約3500種,日本では約300種,北海道では150種


ネーミング

 ショウジョウバエの「ショウジョウ」とは、能の世界で「酔って目を赤くして、灯にふらふらと集まるもの」のことをいい、その姿似ているところからつけられたそうです。
 双眼実体顕微鏡でみなければよく分からないようなこのハエをよく観察して、こんな高尚な(?)名前をよくつけたもんだと思いました。


トピックス

 ショウジョウバエの産卵数は,一メスあたり800〜1000卵/年らしい。
この卵がすべて親になってまた産卵して・・・とうまくつながっていくと、一年間で発生するショウジョウバエの量は、地球の表面に並べると、「何と地表から3〜5m位の高さ」までになるということです。


【研修の様子】

 

 

<講師の渡部先生>


 今回の講師をしていただいた北海道教育大学札幌校生物学教室教授渡部先生(左)と,WISDOM96の会員松原先生です。
先生は松原先生の恩師です。



【培地づくり】


 実習をするためにハエを育てるためには餌の培地が必要になってきます。
その作り方は以下の通りです。簡単にできますので是非やってみたいですね。

  1. 水1000ml
  2. 砂糖(黒砂糖がベター)50g
  3. イースト50g
  4. 寒天末10g
  5. コーンミール50g
  6. プロピオン酸5ml

 飼育瓶などをしっかりと滅菌して準備する(綿栓も)。
 上記の餌の材料を水に入れて沸騰するまで良くかき混ぜる。
 2〜3回繰り返したあと,殺菌のためにプロピオン酸をいれて分注する。
あとは,ハエをもらってくればいいだけです。
 写真は,餌を食べてどんどん育っているウジや蛹です。


<ハエの麻酔>


 観察するにしても,交配のためにより分けるにしても麻酔してからの作業になります。
 とっても小さなショウジョウバエですから,まさか手でつかむわけにもいきません。
そこで,自家製吸虫管の登場です。
麻酔はエチルエーテルで。エチルエーテルに過敏な突然変異系統の場合は二酸化炭素を用います。
 麻酔に失敗した場合は,もちろん死んでしまいます。そのときは翅が反り返るので判定できます。



<雌雄の判定>


 遺伝でもちろん交配をするのですから,そのときにはしっかりとした雌雄の判定が必要になってきます。
当然,麻酔下で行うのですから「醒めないうちに手早く」が基本です。
 見分け方のポイントは以下の通りです。

  1. オスの第5.6背板は全体が黒色である
  2. 肛板はオスに比べてメスの方が突き出ている
  3. 交尾器のつくり→メスの腹部を軽く押すと産卵管がでる
  4. オスの第6腹板には剛毛がない
  5. 前肢についているsex combの有無

なのですが,ほとんどの方法は厳しいです。手っ取り早いのは5の方法ですね。
なかなか見にくいですが,双眼実体顕微鏡で観察した物をデジタルカメラでとってみました。参考にしてください。




【形質の例】

これが野生型といわれる標準的な物です。この写真はメスですね。
腹部が卵でいっぱいになって白くなっているのが見えます。



有名な白色眼です。実物ははじめてみましたがなかなか綺麗です。



ちぢれ翅/黒色体です。これも非常にわかりやすい形質ですね。




【ショウジョウバエ関連サイト】

FlyBase:
ショウジョウバエの圧倒的なデータベースです。


 

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