カタクリ Erythronium japonicum  ユリ科

カタクリの観察会を実施しました。

最近は大きな群落を見かけることも少なくなってしまいましたが、

非常に興味深い・生存のための戦略を持った植物です。

その生活の様子の記録を残そうと考え、Webにまとめてみました。

花のつくり
ユリ科ですので、「おしべ」「花弁」「がく」は3の倍数です。カタクリの場合、外側にある3枚が「がく」、内側の3枚が「花弁」です。両方ともほとんど同じに見えてしまいます。
おしべは6本ですが、受粉効率(虫媒花)をあげるために、長さがちがっています。段差があるのです。長い方が先に成熟するようです。
花粉の色は白っぽいです。「葯(やく)」がはじけて、花粉が見えています。虫媒花です。気温が高い日にはハチなどがたくさん訪れます。
この日は、小さなハナバチの一種が、蜜を集めに来ていました。確かに虫媒花です。
場所によって、色調には色々なものがあります。中にはかなり白っぽいものも見られました。真っ白のものもあるようです。

生活のようす

個体の生活をみてみると、光をどの時期にうまく取っているのかを考えると

非常にうまくできている事が理解できます。

【新しい科学の教科書1より抜粋】

春、まだ樹木には葉が出ていませんが、この時期がカタクリの光合成をする時期です。上の表でいけば、4月あたりにあたります。
4月〜5月の間には、このような大群落がみられます。これは北海道沼田町〜幌加内町付近の墓地で撮影したものです。
いろいろな花もこの時期に一気に咲き始めます。キバナノアマナ・エゾエンゴサクなどが見られました。
Spring Ephemeral
カタクリのように、雪融けとともに芽吹き花を咲かせ、木々が緑を茂らせるころには枯れてしまう野草たちをSpring Ephemeral―「スプリング エフェメラル」と呼んでいます。これらの「早春植物」は、6月くらいには地上から姿を消してしまうのです。春のわずか40日あまりのあいだに、地表での活動を終えるわけです。
夏から次の春までの長い季節を、これらの植物は地下で過ごすのです。早春なら木の芽もまだ出ていないので、森の中でも陽の光が地表に射し込みます。丈の低い小さな植物が、この時期に光を十分に吸収し、生命を紡いでいるのです。地表から姿を隠しても、次の芽吹きまでのあいだ、地下で生き続けているのです。進化の過程で生まれたたくましい生き方といえるでしょう。

花を咲かせるまで
種子が発芽してすぐに花をつけるわけではないのです。

花をつけるまでの長い時間を見てみましょう。

下のイラストは発芽してから1年ごとのものです。

つまり、発芽してから花を咲かせるまでに8年もの歳月がかかるのですね。

左の写真をクリックしてみてください

種子はアリによって散布されます。アリ散布という方法です。そのためあまり広範囲に一気に広がるということはないようです。
種子には、アリを誘引するためにエライオソームという物質がついています。アリはこれを巣に運びます。エライオソームを食べ終わったアリは種子を巣の外に放出するのです。
1年目のカタクリです。とてもカタクリの葉とは思えないようなものです。知らないで見ていると別な植物のものだと思ってしまいますね。
1年目のものから2年目、7年目(推定)のものと並んでいました。これだけ年数がかかっているんですね。実感します。

普通は8年目に葉が2枚になって開花するのですが、そうではないものもあるようです。葉が1枚で咲くもの、3枚で咲くものも見つかりました。

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